道連がTPP参加反対で緊急声明
一次産業を守る固い決意を表明
自民党道連は11月6日、伊東良孝道連会長が記者会見して「TPP(環太平洋経済連携協定)交渉への参加に断固反対する党道連緊急声明」を発表しました。
伊東会長は会見の中で、「北海道の農業、水産業、林業が壊滅的な打撃を被ることがあってはならない。場合によっては地域社会が消滅することすらあると思っている」と強い危機感を示しました。
さらに「本道の自民党衆参国会議員は参加反対で意思統一されている」と語り、「何が何でも参加阻止に全力を挙げる」と述べました。
緊急声明の内容は次の通りです。
菅首相は、平成22年10月1日の所信表明演説で、突如、TPP(環太平洋経済連携協定)への参加検討を表明した。
TPPは、原則100%関税撤廃とされており、わが国の農業と比べ生産規模が極めて大きい米国や豪州などを含む複数国との交渉である。しかも、参加に当たっては、これらの国の同意が必要なことから、高いハードルが課せられることは必至である。
仮に重要品目の関税撤廃の例外措置が認められなければ、本道の農業生産額は5,563億円失われ、本道の販売農家全戸数の7割を超える3万3,000戸の農家の営農が困難になり、17万人の雇用が消失するなど、その経済的影響額は2兆1,000億円を超えると試算されており、漁業生産額にも500億円を超える影響が予想されている。
すなわち、TPP交渉への参加は、わが国最大の食料供給地域として、国民に安全・安心な食料を提供している北海道の農業・水産業、さらには全国の4分の1の森林を持つ林業をも壊滅状態に追い込むものであり、加えて、食料加工や流通、観光などの関連する産業の衰退を招き、地域社会の崩壊を引き起こすことは想像に難くない。
よって、わが党道連は、食料自給率の向上や食料安全保障の観点、また、本道地域社会や経済・雇用を守る観点からも、TPP交渉への参加に対し断固反対する。