| ごあいさつ | ||
財団法人・日本漢字能力検定協会が発表した「今年の漢字」(2011年)が、「絆」に決まりました。改めて説明する必要もありませんが、これは東日本大震災により日本中、いや世界に広がった人間の連帯を表す一字です。被害に遭った人は自らの力を振り絞って立ち上がり、幸い被害を免れた人はでき得る限りの心を尽くして支援に協力しようとする、お互いに思いやる気持ちと行動を示しています。 平成23年3月11日、宮城県男鹿半島東南沖の海底を震源として発生した大地震は、日本における観測史上最大の規模、M9.0を記録、東北地方・関東地方太平洋沿岸部に壊滅的な被害をもたらしました。東京電力福島第一原子力発電所では、大量の放射性物質の放出を伴う重大な原子力事故に発展しました。これにより、周辺一帯の福島県住民は長期の避難を強いられています。 12月2日現在の死者行方不明者1万9,386人、重軽傷者5,951人、建物の被害は全半壊32万507戸、全半焼281戸、そのほか家屋浸水、一部損壊などの被害が約63万戸も出ました。まさに未曾有の大惨事です。 国内外を問わず多くの義援金や支援物資が届けられ、国境を越えた人間の絆が示されました。被害に遇った人たちが生死の境の中でも、協力し合い、お互いをいたわりながら整然と避難し、決然と復興に立ち上がろうとしているその姿は、世界中の人たちに感動を与えました。これこそ日本人—私たちはそこに、日本人の誇りを再発見したのです。 自民党は、震災直後から東日本大震災津波緊急対策本部を立ち上げ、「絆・がんばろう日本」を合言葉に、募金・物資支援や節電に努めてきたほか、官邸をサポートし、これまで577項目に及ぶ震災対策を提言し、自民党が中心となり33本の法律を成立させ、12本の議員立法を作成するなど震災・復興対策をリードしてきました。 さて、私たちの心をとらえた「絆」とは、「人と人との断つことのできないつながり。離れがたい結びつき」という意味です。反面、「自由を束縛するもの」(『漢語林』による)という解釈もあります。だから、俳優の小沢昭一さんが自身のブログで、戦後の茫然自失した国民の状態を思い起こしながら、「一致協力、絆なんていう言葉が強調されるのは、実はちょっと心配。戦中の『一億一心』への逆戻りじゃないかと私たちの世代には怖い言葉なんです」と書いています。 確かに「絆」と銘打った歌や映画、テレビドラマ、本などが世間に氾濫しています。しかし、「絆」という字を分解すると、「糸」と「半」から成り立っています。2人で持っている糸は、一方の人が相手の力加減に関係なく強引に引っ張ってしまうと切れてしまうか、相手が倒れてしまいます。だから、お互いが相手の力加減を考慮して、よい関係を保つのが「絆」であると言っていいでしょう。
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