一、道政上の諸課題について(1)

一、行財政改革について


1、財政危機を招いた要因等について
 米田議員 道民の理解と協力を得るため、財政危機を招いた要因を正しく伝えるべきだ。行財政改革完全版の議会報告はいつごろになるか。
 
高橋知事 歳入面では長引く景気低迷による道税収入の落ち込み、地方交付税の削減、歳出面では過去に発行した道債の償還費や老人医療費など義務的経費の増加などが主な要因と認識している。新たな行革大綱の成案は、年内をメドに取りまとめるよう最大の努力をする。

2、経済再建について
 米田議員 行財政改革は、財政再建と経済再建の両立が求められるが、経済再建をどう進めるか。
 
高橋知事 限られた財源を集中的に投入する加速連携事業の導入、戦略的な北海道ブランドづくりやIT、バイオ、環境・リサイクルなどの新産業おこしのほか、自動車産業への参入を目指した「ものづくり産業」の育成、企業誘致の推進、地方道路整備臨時交付金の活用、行政サービスの民間開放などを推進する。

3、行政改革大綱と財政立て直しプランの一体化について
 米田議員 行政改革大綱に財政効果を明記するなど、財政立て直しとの関係を分かりやすく示すべきではないか。
 
高橋知事 一体的推進により計画が成し遂げられると考えており、新たな取り組みもこうした考えに立っている。現時点で具体的な内容が確定できないものもあるが、成案を取りまとめるのに際し精査し反映していく。

4、給与の適正化について
 米田議員 改革工程表で給与の適正化が必要な項目が記載されていないものが多く、財政構造改革に向けた取り組みでも新たな給与の独自縮減措置が工程表に記載されていない。明記すべきと考えるがどうか。
 
高橋知事 給与の適正化について記載されていない項目は、すでに示した方向性に応じて工程表に記載することを検討している。独自縮減措置については、「財政構造改革に向けた取り組み」の中で位置づける。

5、平成18年度の収支見通しについて
 米田議員 18年度の収支見通しを各経費別に明記すべきではないか。
 
原田総務部長 職員数の適正化など、現在、精査・検討中の項目を調整のうえ示したい。

6、平成22年度当初の財政構造について
 米田議員 集中改革期間の終了によって、平成22年度当初予算の歳入歳出構造は、どうなっているのか。
 
高橋知事 厳しい環境にあるが、赤字再建団体への転落回避を最重点に取り組み、中長期的な視野に立って、構造的な歳入歳出のギャップ解消を図っていく。

7、10年後の姿について
 米田議員 平成26年度までの10年間を推進期間に設定しているが、27年度当初における道庁と北海道の行財政の姿をどう展望しているか。
 
高橋知事 持続可能な行財政運営構造を確立、道民ニーズに的確に対応し得る道庁のほか、豊かな自然環境に恵まれ、安全で安心な「食」の供給基地、世界に貢献し活力ある、共生力に満ちた北海道の姿を描いている。

加速連携事業の具体的事業群は
二、知事の政策予算について

1、経済再建への取り組みについて
 米田議員 平成18年度予算案では「加速連携事業」の仕組みを導入しているが、具体的にどのような事業群を立ち上げ、経済再建を加速しようとしているのか。
 
高橋知事 食の安全・安心な生産体制づくりや独自認証制度の充実、エゾシカ肉やお菓子などを生かした新しい顔づくり、道産米、コンブなどの消費拡大のほか、観光では個人客や小グループをターゲットにした癒しと健康ツーリズムなど新たな観光資源の掘り起こし、食と観光の情報発信拠点の設置、さらに知的資源を活用した産業おこしではリサーチ&ビジネスパーク構想の地域展開の加速、IT、バイオ、環境・リサイクル分野の事業化に向けた中小企業研究開発支援などにより新しい産業や事業を創出していく。また、中小企業、公益法人、NPОなどに対する金融支援策を創設、加工型組工業の強化に向けた物づくり産業の育成・集積を図る。

2、新生プランの取り組みについて
 米田議員 来年度に最終年度となる「新生プラン」の総仕上げにどう取り組む考えか。また、その成果をどう見込んでいるか。
 
高橋知事 新しい北海道づくりに向けたさまざまな芽が生まれてきた。総仕上げのために、これまで述べた経済再生の加速などの政策を展開していく。人づくりや地域づくりの面では、子育て支援の取り組みの輪が全道に広がるなど、道民が安心して暮らせる地域を前進させることができると考えている。

支庁制度改革について地域課題にどう対応?
三、道州制特区について

1、道州制特区について
(1)政府の対応について

 米田議員 一歩前進の様相にある道州制特区について、政府の対応をどのように考えているか。
 
高橋知事 今後、道州制特区の推進に当たって、推進法の制定や政治主導の体制の整備などが必要と考えている。

(2)北海道道州制特区推進法について
 米田議員 法律制定について見解を伺いたい。
 
高橋知事 道州制の特区を地方分権のモデル的取組として推進するという基本理念や、国からの移譲対象となる権限の基準、移譲に当たっての財政措置や手続き、国と地方が参画して推進組織を設置するなどの点が盛り込まれることが必要と考えている。

(3)北海道開発局との関係について
 米田議員 道州制特区の推進と道開発局との関係について、どのような見解を持っているか。
 
高橋知事 機能など統合を進める際には、国と地方の役割分担を明らかにした上で、必要な財源とセットで権限や事務事業が移譲されることが大前提であるとともに、その執行体制については、現体制内の対応や民間委託による効率化などを総合的に検討すべきだ。

2、支庁制度改革について
(1)地域課題への対応について

 米田議員 再編推進に当たり、道職員の減少による地域経済への影響も含め、地域課題にどう対応しようとしているのか。
 
高橋知事 さまざまな特色を持った地域ごとに課題の把握や施策の展開が図れるような組織体制の整備を検討する。支庁所在地を変更する地域には、行政サービスが低下しないよう、住民の身近な事務を担当する「地域行政センター」を設置する。

3、市町村合併について
(1)合併推進構想の提示時期などについて

 米田議員 慎重な対応が求められている道の合併推進構想を提示する手順や時期に、変わりはないか。
 
高橋知事 審議会の議論を進めるとともに、市町村の意見を伺いながら、平成18年度のできるだけ早い時期に構想を策定する。

(2)広域行政と合併の関係について
 米田議員 将来を展望した時、広域行政は市町村合併の代替にはならないと考えるが、どうか。
 
高橋知事 広域行政と市町村合併は、そもそも二者択一とか代替関係にあるのではない。合併推進審議会で、広域行政について合併構想の中に明記した上で、合併の組み合わせを示していくべきだとの考えだ。この意見を踏まえ、検討を更に進める