質問する大谷議員
大谷議員の質問に真剣に耳を傾ける高橋知事


今期最後の政策予算の基本姿勢は?

一、知事の政治姿勢について


1.政策立案の基本姿勢について
 大谷議員 新生北海道を創造していくためには、財政立て直しと並行して、今期最後の政策予算ともなる次年度の政策立案に向けて、どのような基本姿勢で臨むのか。
 
高橋知事 食や観光、知的資源の活用など明日の北海道に欠かせない分野や新たな産業の創出といった分野を中心に選択と集中により政策検討を行い、経済界、NPOなど民間との連携を強め、道庁の総力を挙げ、厳しい試練を乗り越えていく。


行革大綱などの検討状況を示せ

二、道政上の諸問題について

1.道財政立て直しについて
(1)歳出削減等の対策について

 大谷議員 十九年度までに千九百億円の歳出削減等の対策を講じれば、平成二十六年度までの財政立て直しプランの期間中は、これ以上の対策は必要ないと見込んでいるのかどうか。
 
高橋知事 平成二十年度以降においても引き続き、行政のスリム化に努める必要があると考えており、今後策定する行革大綱に基づいて、思い切った人件費の削減や関与団体の見直しをはじめとした対策を講じていく必要があると考えている。

(2)新たな対策の見通しについて

 大谷議員 新たな千億円の対策は速やかに検討しなければならないと考えるが、どのような見通しで進め、いつ方針を決定するのか。
 
原田総務部長 人件費、公共事業費、一般施策事業費などすべての経費について二年間で二〇%を目安に削減することを基本に検討している。今年八月に見直し方針を策定し、十八年度予算編成に間に合うよう成案を得たい。

(3)人件費の削減について

 大谷議員 人件費の削減が最大の課題であり、プランで示している三百六十億円を含めた人件費の大幅削減は避けて通れない。道独自の削減措置も含め、今後どのように見直し作業を進めていくか。職員団体への提示時期も併せて伺いたい。
 
高橋知事 組織機構の見直し、新規採用の見直しにより職員数を削減するほか、職員給与についても給料減額、管理職手当てなど独自の縮減を行っており、道財政の現状を踏まえ新たな独自縮減措置についても、さまざまな人件費の削減方法との組み合わせの中で検討している。職員団体への提示については早い時期に対処したい。

2.行政改革大綱について
(1)検討状況などについて

 大谷議員 行革の検討がどう進められているか不透明である。四月以降の検討状況はどうなっているか。また、行革大綱の方針はどのような内容を考えているか。
 
高橋知事 全庁的な推進組織「北海道行財政構造改革推進本部」を設置し、その下に設けた次長級の幹事会などにより財政立て直しプランや組織機構・定員管理等の検討作業を鋭意進めている。行革大綱については、「簡素で効率的な組織体制の確立」「持続可能な行財政運営構造の確立」「国、市町村等との新たな協働関係の構築」といった視点で検討している。

3.行革大綱と財政立て直しプランについて
 大谷議員 すべての課題が「同時・一体的」に進められるべきと考えるが、行革大綱の目標をどのように設定し、その上でどのように「大綱とプランの連携」を行っていこうと考えているのか、それらの位置づけも含めて見解を伺いたい。
 
高橋知事 行革大綱は可能な限り数値化するなど具体的目標と対策を明らかにする。向こう十年間を推進期間とし、前半の五年間を集中改革期間と位置づけ、数値目標を明示した改革工程票を策定する。財政見直しプランは中期的収支見通しの中で聖域なき歳出の削減などを行おうとするもので、行革大綱と連動させながら持続可能な行財政構造の確立を図ろうとするものである。

3.給与の適正化等の検討内容について
 大谷議員 給与の適正化や職員数の削減、組織機構の見直しについて、見直し内容や検討状況を明らかにすべきだ。
 
高橋知事 総務省の新たな地方行革指針や人事院の給与構造の見直し動向を踏まえながら、初任給の一号俸上積み措置の廃止や特地勤務手当の支給割合決定のための特地部局等の指定基準見直し、特殊勤務手当の見直しなど給与の適正化を検討するとともに、事務事業の抜本的見直し、業務の積極的な民間委託推進、出先機関の統合など鋭意見直しを検討している。


合併構想策定の基本的な見解を

(2)本道の自治の姿について

1.道州制特区について
 知事は閣僚級をトップに据えた推進組織の設置を求めているが、その実現と見通しはどうか。また、関係省庁連絡会議地方部会で、道が提案した国の出先機関について実現の可能性についていつごろ明らかになり、今後どのように特区構想が展開されるか伺いたい。
 
高橋知事 現在、内閣府の「道州制特区担当推進会議」や関係省庁局長クラスの「道州制特区関係省庁連絡会議」課長クラスの「幹事会」、道内に関係する地方支分部局の「地方部会」で道の提案を検討している。国からの回答が明示される時期は明らかにされていないが、近いうちに考え方が示されると受け止めている。官僚主導でなく政治主導で意思決定を行うことが十分担保される体制の整備を国に求めていく。

2.市町村合併について
 
(1)合併構想策定への取り組み方について
 
大谷議員 道は七月中に市町村合併推進審議会を設置、合併構想を策定すると承知しているが、この際、議論の前提として市町村意向の確認、破たん原因の詳細な分析が必要と考えるが、どう取り組むのか。
 
吉田企画振興部長 旧法の下での合併協議の状況や協議会が解散に至った要因を把握・分析してその結果を合併構想に生かすことが大変重要だ。全市町村を対象にアンケート調査を行い、合併協議への参加、不参加の理由や協議会の協議状況などを把握・分析して検証してまいりたい。

 (2)知事発言の真意について
 
大谷議員 国の法律に基づいて策定される合併構想に当たっての知事の「道の役割を積極的に果たす」「嫌がっているのに、勧告をする」、「やれと強制するということは、さらさらありません」などという発言の真意を伺いたい。
 
高橋知事 合併新法の下においても、自主的な合併を推進するというこれまでの基本的考え方に変わりがないが、合併構想の策定など、都道府県の新たな役割を与えられており、道の役割は一層重みを増したと認識している。分権時代にふさわしい市町村体制を構築する観点から、道内の合併協議が一層円滑に進められるよう道の役割を積極的に果たす。

(3)合併構想策定に当たっての基本的な見解について
 
大谷議員 主な合併破綻の経緯、合併構想策定に当たっての基本的な見解を伺いたい。
 
高橋知事 最終的に協議が整わなかった理由としては、市町村間の財政事情の違い、議会議員の定数、新しい市町村名や事務所の位置などがあったと考えている。また、住民投票の結果を踏まえ合併に至らなかったところもある。今後は基礎自治体としての市町村のあり方について幅広く論議することが必要であり、審議会はもとより市町村の意見を十分聞き連携を密にしながら、住民自治の視点に立った構想とするため、道の役割を果たし、道州制、支庁制度改革との整合性確保にも十分留意していく。