被害状況に応じ適切な措置を

2、教育問題について
(1)「甦れ、日本!」構想について


 布川議員 文部大臣のこの構想のスローガンは「頑張ることを応援する教育」とのことだが、どう受け止めているか。
 相馬教育長 この構想では、国家戦略として教育を進めるとした上で、「確かな学力」、「豊かな心」、「健やかな体」、「挑戦する精神」の育成に向け、「頑張ることを応援する教育」を目指している。本道教育の推進に当たっても、重要な内容が含まれていると受け止めている。

教育のあり方示す教育ビジョン策定
(2)北海道教育ビジョンについて

 布川議員 時代が変化しつつある中、今日の学校教育、生涯教育をめぐる諸課題を改めて捉え直し、これからの教育のあり方を明らかにする教育ビジョンを策定すべき時と考えるがどうか。また、道州制特区構想を活用した教育改革の先導を図るべきだ。
 
相馬教育長 国の教育改革に関する動向を見極めながら、新たに北海道教委ビジョンの策定を検討していく。地域や教育関係者の意見も聞きながら、地方教育行政の実施主体である自治体が地域に根ざした教育行政が展開できるよう、知事部局と連携を取りながら道州制特区についても国に提案していく。

給与制度検討部会の検討成果伺いたい
(3)教員の給与制度について

 布川議員 庁内の「教育行財政改革検討委員会・教員の給与制度のあり方検討部会」の検討成果を伺いたい。
 
相馬教育長 人材確保法、教育公務員特例法の趣旨、他府県の教員給与条例などを踏まえ、人事委員会に意見を申し述べた。各種手当てについては、人事委員会から報告された退職特別昇給、へき地勤務にかかわる措置などの見直しを職員団体に提示した。今後とも文部科学省からの通知に留意し、人事委員会など関係機関と連携を図り検討を進める。

道徳教育の充実へ積極的な取り組みを
(4)児童生徒の健全育成について

1.道徳教育について
 布川議員 文部科学省が実施した全国小中学校の「道徳教育推進状況」の結果によると、北海道においては標準単位時数といわれる35単位時間を下回って実施しているのが、小学校で8.1%、中学校で3.5%となっている。また、家庭や地域社会の理解と協力を得るための取り組みを行っていない学校が2割を占めている、この結果をどう受け止めている。
 
相馬教育長 調査結果を、今後の学校などへの指導に生かし、本道における道徳教育の一層の充実に努める。

2.高校での取り組みについて
 
布川議員 高校段階においても道徳教育の充実が求められているが、道教委として積極的な取り組みが必要ではないか。
 
相馬教育長 現在、生徒の豊かな心をはぐくむ体験活動について実践研究を行う「生き生き体験モデルハイスクール」などを支援しているが、この事業の成果を全道に普及するなどして一層の充実が図られるよう取り組んでいく。

3.大麻事件について
 布川議員 私立女子高校生7人が大麻や覚せい剤を使用したとして逮捕されたが、彼女らは「大麻を吸っただけで、なぜ逮捕されるのか分からない」と述べ、なんら罪悪感を感じていないことに根の深さを感じた。再発防止のため、学校現場が家庭や地域社会と連携を強めるなど早急な対策が必要である。また、少年の大麻、覚せい剤の検挙状況と併せて、どのような取り組みをしているか。
 
相馬教育長 事件を受け、学校や市町村教委に対して指導を行ったほか、緊急に道警と連携して「みんなで考える薬物乱用防止大会」を札幌で開催する。共通に認識をもって学校、家庭、地域社会が一体となった取り組みを推進するよう指導を強化していきたい。
 
芦刈道警本部長 昨年同期に比較して検挙・補導人員は1人減の50人であった。このうち中学、高校生は15人を占め、3人増加している。これまで薬物乱用防止教室を小中・高校607校で109,120人の児童生徒を対象に行ってきたが、今後とも学校、家庭、地域社会との連携強化により防止に努めていく。

4.子どもの健全育成サポートシステムについて
 
布川議員 道立学校と警察署が立ち上げた「子どもの健全育成サポートシステム」は、市町村や私立学校関係者から対象の拡大を求める声が出ているが、どう対処する考えか。また、個人情報の保護についてどう対応する方針か。
 
相馬教育長 すでに市町村教委や私立学校との協定締結に向け準備や検討が進められていると聞いている。個人情報の保護には、各学校、道警と連携して努力していく。
 
芦刈道警本部長 道教委や市町村教委などとの協定締結後、これまでに強盗や窃盗による逮捕事案など27件について学校連絡を行っている。個人情報保護については、協定において「秘密保持の徹底と目的外使用を厳禁する」旨を定めており、厳重に指導している。