平成10年度以降の予算執行も調査すべき

4、公安問題について
(1)捜査用報償費について
1.捜査用報償費経理の手引きについて
 
遠藤議員 財務会計上の基本となる「捜査用報償費経理の手引き」などの制定の際、知事部局と合議が行われていたか。合議がなければ支出は違法になるが、見解を聞きたい。
 
河村出納長 合議されていなかった。指導に徹底を欠いていたことは申し訳なく思っている。合議されず作成された手引きや支出手続きは直ちに無効、違法というものではないが、適切を欠いたものである。

2.資金前渡の取り扱いについて
 
遠藤議員 資金前渡制度は、資金前渡員に指名された職員が債権者に対して直接支払う仕組みになっているが、昼間に取扱者を置くなど地方自治法上認められていない方法がとられているが、これは違法ではないか。
 
河村出納長 直ちに違法とは断定できないが、中間取扱者のあり方などを含め、より支出手続きの確認がしやすくなるよう是正する必要があると考えている。
 
3.捜査用報償費事務取扱要綱の制定について
 
遠藤議員 地方自治法や財務規則に基づき、制度として「捜査用報償費事務取扱要綱」を定め、知事部局の合意を得るべきだと考えるが、見解を聞きたい。
 
山口副知事 一連の問題について、道民の間に不信感が高まっていることを踏まえ、捜査用報償費の事務処理の透明性を高めるため、資金前渡のあり方を含め支出手続きが確認しやすい方法などを検討し、知事部局と合議の上、新年度に向け速やかに制定するよう道警に求める。

4.監査の申し合わせ事項について
 
遠藤議員 捜査報償費監査について、道と道警との間でコピーやメモをしないなどの申し合わせを行い文書化しているが、破棄すべきと考える。
 
前田代表監査委員 平成14年度の道議会決算特別委員会での論議を踏まえ、この申し合わせをやめ、現在は「捜査用報償費に係る監査の取扱い」に基づき監査を実施している。

5.財務監査について
 
遠藤議員 平成15年度予算執行にかかわる警察部局の監査に当たっては、捜査員に対し面談、または文書照会により、資金前渡の使用目的を確認すべきだと思うがどうか。
 
前田代表監査委員 監査体制を強化するとともに、執行の事実確認する上で捜査員からの事情聴取を求めるなど、より厳正な監査を実施することにしている。

6.知事要求監査について
 
遠藤議員 平成10年度以降の捜査用報償費、旅費、食料費、交際費についても監査を実施すべきと考える。警察への信頼回復のため、この際知事が監査をようきゅうすべきであり、見解を伺いたい。
 
山口副知事 現在、道警において「予算執行調査委員会」を設置し、徹底した調査を行っている。その結果によっては、報償費以外の経費も含め知事による監査請求など適切に対応してまいりたい。

7.本部長の判断について
 
遠藤議員 道民の疑惑を増幅させた道警本部長のこれまでの判断は的確であったかどうか、どう認識しているか。
 
芦刈道警本部長 執行手続きが適正に行われ、内部監査が原生に実施されたものと判断してきたが、その後、さらに調査を行う必要に迫られる事態に至ったことは道民の疑惑を増幅させ、警察に対する信頼を低下させたことにつき、深くお詫びしたい。

8.改善措置について
 
遠藤議員 予算執行調査委員会は徹底的な調査を行い、説明責任を果たすべきだ。この際、平成十年度以降の予算執行についても、併せて調査すべきと考えるがどうか。捜査用報償費事務取扱要綱の制定などの改善措置についても併せて講じるべきだ。
 
芦刈道警本部長 速やかに調査結果を得て、道民の方々のご理解がいただけるような説明をしてまいりたい。公安庁と警察庁の予算執行検討委員会の指導を受け、関係機関とも必要な協議をしながら改善措置について検討してまいりたい。

9.警察職員同士の士気向上について
 
遠藤議員 一日も早く警察組織を立て直し、道民の期待と信頼に応えてほしい。警察職員の士気をどのようの維持、向上させていく考えか。
 
芦刈道警本部長 調査委員会の調査に全力を挙げ、速やかに結果を得て道民の信頼に応えることが、職員の士気高揚につながる。第一線現場で昼夜を分かたず治安維持のため奮闘している職員に対して、さらなるご協力とご支援をお願いしたい。