●道議会活動

●平成21年第1回臨時道議会自民党・道民会議質問・答弁要旨

729億円の一般会計補正予算を可決

  平成21年第1回臨時道議会が2月20日開かれ、緊急経済対策を盛り込んだ国の第2次補正予算に対応するための729億円の一般会計補正予算案など議案9件を原案通り可決して閉会した。
  自民党・道民会議は小野寺秀議員(帯広市)が質問に立ち、地域活性化・生活対策臨時交付金、雇用問題、中小企業総合振興資金、妊婦健康診査支援基金などについて高橋知事の見解をただした。
 

一、補正予算案について

(一)本道経済への認識などについて

小野寺議員 本道の経済状況をどう受け止め、どのように改善を図ろうとするのか。

高橋知事 道民生活や企業活動を取り巻く環境は大変厳しいと認識している。補正予算を含めて必要な中小企業対策や雇用対策を切れ目なく実施するほか、投資単独事業を実施するなどして、雇用確保や景気の下支え、道民生活の安定向上につなげる。

(二)経済効果などについて

1、経済効果について
小野寺議員 平成20年度補正予算の総額は、昨年の202億円と今回の834億円(ゼロ国債分を含む)を合わせると1036億円になり、6年ぶりに景気対策予算の補正額が1000億円を超えた。今回の景気対策予算は本道経済にどのような効果を及ぼすのか。

高橋知事 国の雇用関係の交付金を活用した基金の設置、中小企業総合振興基金の新規融資枠の拡大、国の2次補正予算に伴う農林水産業関連の事業、消費生活・福祉・子育てなど各種基金の積み立てなどを行う。必要な対策を切れ目なく実施することで、雇用の確保や景気の下支えにつながると考えている。

2、地域活性化・生活対策臨時交付金について
小野寺議員 道は交付金をどのように活用し、どのような考え方で地域の活性化や道民生活の安定を図るのか。

高橋知事 国からの交付見込み額206億円は、省エネ型設備への改修などの公共施設整備、信号機整備などに活用するとともに、新たに「北海道地域活性化・生活対策基金」を設置し生活対策関連事業に活用するために積み立てる。

(三)雇用問題について

1、事業見込み額について
小野寺議員 緊急雇用対策の執行状況はどのようになっているのか。「ふるさと雇用再生特別基金」「緊急雇用創出事業臨時特例基金」はどの程度の事業計画が見込まれるのか。

高橋知事 臨時職員はこれまでに261人を採用した。緑の雇用などの請負業務も2月6日から順次開始している。「ふるさと雇用再生特別基金」は基金配分額に達し、「緊急雇用創出事業臨時特例基金」は上回る事業計画になっている。

2、迅速な対応について
小野寺議員 「緊急雇用創出事業臨時特例基金」は初年度から全額使い切り、国へ追加交付を求めるくらいの気構えで、迅速に取り組むべきだ。

高橋知事 この事業で現在取りうる限りの対策の集中的な実施に取り組み、機会をとらえて国へ追加交付を求める。

3、雇用の確保について
小野寺議員 道の調査では雇用のミスマッチがみられるが、どのように解消し、雇用の確保に向けどう取り組むのか。

高橋知事 就業支援のためのゼミナー・カウンセリングやものづくり、IT産業の合同企業説明会などの実施、離職者に対する機動職業訓練の推進などで雇用情勢の改善に全力で取り組む。

(四)中小企業総合振興基金について

小野寺議員 丸井デパートの取引先は約2100社と言われており、計上している予算額で十分なのか。

高橋知事 丸井今井の民事再生手続き開始に関して、取引先企業の連鎖倒産を防ぐために制度を適用し、融資枠を200億円増枠した。取引先企業の資金需要に応えられると考えている。

(五)地域経済の活性化について

小野寺議員 わが会派は地域経済活性化の視点から、今回の補正予算に関して早期発注、地元建設業者への優先発注、経常JVにおける地域要件の設定などについて申し入れしたが、どのように取り組むのか。

高橋知事 すべての工事の年度内発注に向け速やかに対応し、地元中小建設業者の受注機会の確保に努める。

(六)妊婦健康診査支援基金について

小野寺議員 妊婦健康は道内の16市町村が5回未満の実施であり、130市町村の医療機関が産科・産婦人科を持たないが、支援事業をどのように進めるのか。

高橋知事 道内の全市町村が公費負担による妊婦健診を14回まで拡充する意向。確実に行えるように各市町村に強く働きかける。23年度以降の支援策の継続や本道の産科医療の実情を踏まえた市町村に対する十分な財源措置を国へ強く要望する。

(七)安心こども基金について

1、待機児童の解消について
小野寺議員 基金事業により保育所の待機児童の解消にどう取り組むのか。

高橋知事 道は交付金を基に「北海道安心こども基金」を設置する。平成20年10月の待機児童は1026人で、約9割が札幌、旭川に集中している。両市に対して基金を活用した保育所の新規設置や増改築を働きかけるなど、体制の整備を図る。

2、地域の実態に見合った整備について
小野寺議員 基金の実施に当たっては地域の実態に即して運用されるように、国へ働きかけるべきだ。

高橋知事 要望の強い地方裁量型の認定こども園への単独支援などについて別途検討している。効果的に基金を活用できるように、国へ強く要望する。

(八)介護福祉等修学資金事業について

1、人材確保について
小野寺議員 介護福祉士等修学資金の拡充のための予算を、どのように活用して人材の確保を進めるのか。

高橋知事 今後は特に女性に比べて就業割合が低い男性への啓発や職場体験の機会提供など、各種施策を一体的に展開し、安定的な確保に向けた取り組みに努める。

2、介護職の待遇改善について
小野寺議員 介護報酬の改定が介護職員の待遇改善につながるのかどうか、道も状況を把握し、改善が必要な点を国へ申し入れるべきだ。

高橋知事 改定後の介護報酬が介護従事者の人材確保や処遇改善につながっているかなどを含め、できるだけ早い時期に状況を把握し、必要に応じて国へ提言する。

(九)農業関連予算について

小野寺議員 「強い農業づくり事業」を活用してどのような畑作農業を築き上げるのか。

高橋知事 「強い農業づくり交付金」など一連の国の事業制度を効果的に活用し、集出荷施設や加工施設の整備、高能率な農業機械の導入を進め、安全・安心な農産物の安定的な供給と本道畑作農業の持続的な発展に努める。