道が152億円を追加補正

1、緊急総合対策について

国の緊急総合対策に対応

(1)景気の現状認識について
柿木議員 アメリカ発の金融危機による影響が強く懸念されている。道も世界の経済動向に臨機応変に対応すべきであり、道内経済の状況をどう認識しているのか。

高橋知事 有効求人倍率や個人消費が全国を下回って推移。原油・原材料価格の高騰が農業や水産業の収益を圧迫している。世界的な金融市場の混乱はわが国の経済に大きな影響を与え、本道でも中小企業の金融環境への影響が懸念される。本道経済は大変厳しい状況にある。

(2)財源対策について
柿木議員 北海道は実質公債費比率が21.7%と全国ワーストワン。経済対策に充てる財源確保の状況をうかがう。

高橋知事 国の「地域活性化・緊急安心実現総合対策交付金」や道の19年度決算で生じた剰余金の活用などで、緊急総合対策に呼応し、必要な財源の確保を図った。

(3)高齢者医療制度について
柿木議員 制度のより良い改善に向けて市町村で開催される相談、説明会に、道も積極的に参加すべきだ。

高橋知事 6月に制度の見直しが行われ、より丁寧な広報活動が必要。広域連合、市町村と連携を図り、住民説明会へ参加するなど積極的に対応する。

(4)遠隔医療の普及促進について
柿木議員 緊急総合対策に中にある遠隔医療の普及促進モデル事業の導入促進に向けどう取り組むのか。

高橋知事 広大な面積を有する北海道では、地域医療の充実を図る上で大変有効と考える。今年度、旭川医大遠隔医療センターの協力で「遠隔医療普及促進モデル事業」を実施するが、有効性、実用性、費用対効果、患者の満足度など様々な面から検証する。道としては遠隔医療の普及促進に積極的に取り組む。

(5)福祉灯油について
柿木議員 市町村の福祉灯油の全道一斉実施に向けて、道は積極的な助言を行うべきだ。

高橋知事 現在、灯油価格高騰に対応するための地域政策総合補助金の対象となる177市町村のうち、139町村が実施の意向を示している。すべての市町村がこの制度を活用するように積極的に働きかける。

(6)中小企業対策について
柿木議員 「原材料価格高騰対応等緊急保証制度」に対する取り組みをうかがう。金融機関の貸し渋りについて実態調査行い、対策を講じるべきだ。

高橋知事 国の緊急保証制度の拡充内容について、広報媒体や各種会議などを通じ積極的なPRに努めてきた。経済団体とも連携しながら、年内をめどに直接企業に対し、実態を把握するためかつてない規模の調査を行う。今後とも、信用保証協会や市町村など関係機関と連携して、中小企業者への安定的な資金供給に努める。

(7)建設業の資金繰りについて
柿木議員 国は「地域建設業経営強化融資制度」を実施するが、道の取り組みをうかがう。下請代金の適期支払いなどについても指導を強めるべきだ。

高橋知事 道の発注工事でも受注者が制度を利用できるよう、事務処理要領などの整備を進めている。道発注工事では元請け人に対し現金による代金支払い、手形期間の短期化、工事着手に必要な前払金支払いなどを指導している。取り引きの実態についても、調査件数の拡大や下請けからの調査などで実態の把握に努める。

(8)農業対策について
柿木議員 緊急総合対策は農業生産高にどのような効果をもたらすと考えるのか。

高橋知事 肥料や燃料、飼料の価格高騰に対応するため、国の対策に併せて生産者への直接的な支援を行うほか、低利な運転資金の融通など独自の緊急対策を取りまとめた。これらに加えて肥料コストを低減する技術対策を講じることで、経営への影響が緩和され、農業生産の維持・工場につながると考えている。

(9)漁業対策について
柿木議員 漁船の燃油高騰に対応する燃料費補てん事業は、条件が厳しく利用しづらいという声が聞かれるが、事業の利用状況はどのようになっているのか。

高橋知事 採択要件の弾力的な運用について国に働きかけ、数隻の緩和措置が講じられた。事業の利用状況は漁業経営体の約四割にとどまっており、国へさらに働きかける。

(10)林業対策について
柿木議員 緊急総合対策には木材・木質バイオマスの原料になる間伐材の供給を加速させるためのモデル事業が盛り込まれているが、この事業を踏まえどのような施策を展開するのか。

高橋知事 国が追加措置したモデル事業を導入し、間伐材の搬出を促すことにしている。今後、モデル事業を検証して間伐の促進につなげていくほか、エネルギー分野での木質バイオマスの利用や間伐材の効率的な集荷に取り組むなど、地球温暖化防止に貢献する森林づくりに努める。

(11)観光振興について
柿木議員 円高で外国人観光客が減少している。どのような対策を考えているのか。

高橋知事 誠に憂慮すべき事態と認識している。査証制度の緩和や海外エアラインの新千歳空港乗り入れ拡大など緊急要望を行った。海外への観光ミッションの派遣、国際旅行博覧会への出展など、サミット開催による知名度向上を最大限活用しながら、積極的な海外プロモーション活動を展開する。

(12)公共事業について
柿木議員 投資単独事業を含め144億円の公共事業が補正措置された。冬場を迎えるにあたり、地場建設業への配慮として早期発注が求められるが、発注時期についてうかがう。

高橋知事 速やかな発注に努め、年度内にはすべての発注を終える。雇用の確保や景気の下支えにつなげたい。

(13)追加経済対策について
柿木議員 政府・与党は第一次補正予算に続き、追加経済対策を講じるとしている。一日も早い第二次補正予算の成立・実行が求められが、国の動向を踏まえ道は今後の対応をどう考えているのか。

高橋知事 国が打ち出した「生活対策」の具体的な内容や動向の把握に努め、時機を失することなく必要な対応に万全を期す。