基本構想と地域計画の優先順位

(11)地域振興条例について

1、道と市町村との役割分担について
千葉議員 地域振興条例素案における市町村の位置づけと役割をうかがう。

高橋知事 市町村には地域振興の中心的な主体として、今後さらに大きな役割を担うことを期待している。道は市町村の取り組みを支援し、連携・協働による取り組みを着実に進める。

2、市町村の基本構想について
千葉議員 市町村の基本構想と条例で定める地域計画が抵触する場合、どちらが優先するのか。

高橋知事 条例素案では広域的な地域の区分ごとに地域計画を策定することにしているが、6月に策定した6地域の政策展開方針を地域計画として位置づけたい。今後の推進にあたっても市町村と十分に連携を図りながら、地域の振興に向け効果的な取り組みを進める。

3、特定地域の支援について
千葉議員 条例素案では支援措置の対象地域や内容は知事が定めるとしているが、考え方をうかがう。

高橋知事 この「特定地域」については振興局地域を想定している。市町村が実施する事業について5年程度の事業計画を策定してもらい、毎年、振興局地域合わせて数億円規模の支援をしていきたい。

支庁再編への今後の対応は

(12)支庁制度改革について

千葉議員 開会中の臨時国会で公職選挙法の改正のめどが立たない中、支庁制度改革の来年四月の実施を目指すなら、今後どのような対応をするのか。

高橋知事 市町村と連携協力しながら、地域の活性化を図るための取り組みを着実に進めていくことが何よりも重要。支庁制度改革の進め方や地域振興策などについて、町村会や地方四団体と率直に話をしていきたい。

道新幹線で強力な運動の展開を

(13)北海道新幹線の札幌延伸について

千葉議員 与党のプロジェクトチーム(PT)で整備新幹線の着工論議が再開された。札幌延伸に向け、道民一丸となった取り組みを強力に展開しなければならないが、見解をうかがう。

高橋知事 国交省は未着工区間の建設財源として約6,000億円が充当可能と試算しているが、財源としてはなお不足の状況にある。札幌延伸のためには、さらなる建設財源を検討し、国の来年度予算が決定されるまでに、着工への道筋をつけることが最大の課題だ。道内経済界、沿線自治体と連携を深め、関係省庁や関係国会議員に強力に働きかける。

世界遺産登録に道の支援が必要

(14)世界ジオパークの登録について

千葉議員 「洞爺湖有珠山地域」がわが国で初めて世界ジオパーク、地質遺産候補地に選ばれ、北海道・北東北の縄文遺跡群が世界文化遺産候補として暫定リストに掲載されている。これらの候補が正式に登録されるように積極的に後押しすべきだ。

高橋知事 正式登録に向けては厳しい選定基準がある。両候補の価値や魅力を道内外に広く発信するなど支援したい。

国の医療確保策にどう対応するのか

(15)医師確保対策について

千葉議員 厚生労働省は「安心と希望の医療確保ビジョン」の中間とりまとめを公表したが、どう対応するのか。今後10年程度の道内3医育大学の定員はどうあるべきと考えているのか。

高橋知事 国が公表した平成21年度の医学部入学定員の増員計画によると、道内医学部は過去最大である340人を下回る327人にとどまる見込み。札幌医大は入学定員増や教育環境のあり方を積極的に検討し、道内国立大学のさらなる定員増が図られるように国に強く働きかける。

妊産婦診療体制の改善策は何か

(16)妊産婦の安全対策について

1、総合周産期母子医療センターなどについて
千葉議員 高度で専門的な周産期医療を担う「総合周産期母子医療センター」で受け入れができないケースが相次いでいる。診療体制の課題と改善策をどう考えているのか。

高橋知事 道内6カ所のセンターで受け入れを断った件数が79件あった。産婦人科医や小児科医の確保を図り、総合周産期センターの体制を整備するなど妊産婦の救急搬送の受け入れ体制の充実に取り組む。

2、産科医療補償制度について
千葉議員 来年1月から日本医療機能評価機構による産科医療補償制度がスタートするが、制度の周知、円滑な運営に向けてどう取り組むのか。

高橋保健福祉部長 すべての道内は分娩を取り扱う医療施設が加入する予定。新規開設の医療施設に加入を働きかけ、妊産婦にも市町村を通じて制度を周知する。

自立支援法の実態認識と対応は

(17)障害者自立支援法について

千葉議員 わが会派の調査では、事業者不在、報酬単価の改定、障害者や家族への支援拡充などを求める声が寄せられている。この実態をどう認識し、対応するのか。

高橋知事 来年4月からスタートする第2期北海道障がい福祉計画の策定に向け、実態を聞いている。報酬水準の見直しや制度の改善を国へ強く働きかけ、新たな視点に立った施策を盛り込んだ第2期障がい福祉計画を策定して、障害者が暮らしやすい地域づくりを支援する。

フッ化物洗口の普及策を示せ

(18)歯科保健8020対策について

千葉議員 小中学校のフッ化物洗口の普及拡大にどう取り組むのか。

高橋保健福祉部長 本道では、学齢期のフッ化物洗口の普及が必ずしも十分とはいえない状況にある。要因の調査を今年度中に行い、先進県の例も参考にしながら、必要な方策について検討する。

雇用おこしに緊急措置を講じよ

(19)中小企業対策について

1、緊急対策について
千葉議員 アメリカ発の金融危機に対応して、国は新たな緊急保証制度をスタートさせたが、利用状況はどうなのか

高橋知事 11月28日現在で申し込みは1,112件、金額で約218億円と、厳しい経営環境を反映して多くの企業に利用されている。資金調達環境については約五千社を対象に調査しており、1月初旬をめどに結果をとりまとめる。

2、新一村一雇用おこし事業について
千葉議員 新一村一雇用おこし事業は活発だが、厳しさが増す雇用情勢を見据え、緊急対策見合いの措置を講じるべきだ。

高橋知事 平成19年度から実施し、地域の雇用創出や維持・安定の促進に努めている。本年度は事業の応募状況が当初計画を25%程度上回っているが、一人でも多くの雇用が創出されるように必要な措置を講じる。

水田・畑作対策で積極的な主張を

(20)農業問題について

1、肥料・燃油高騰対策について
千葉議員 政府の「肥料・燃油高騰対応緊急対策事業」の適切な情報伝達、1日も早い支払いが求められるが見解は。

荒川農政部参事監 国や道の助成金を年度内に支払うなど、できるだけ速やかに支払うことができるように努める。

2、水田・畑作経営所得安定対策について
千葉議員 国の平成22年度に水田・畑作経営所得安定対策の見直しにあたり、道はより良い制度にするため積極的に主張すべきだ。

高橋知事 現地に出向いて農協組合長と意見交換をするなど課題の把握に努め、道内の実情を反映した生産量・品質に基づく交付金単価の見直しなどがされるように、積極的に提案する。

3、WTO農業交渉について
千葉議員 WTO交渉は年内の大筋合意の方向に向けて動き出した。本道農業の存続を図るために、適切な国境措置の確保などを国へ強く求めるべきだ。

高橋知事 交渉の行方は予断を許さず、結果によっては本道農業や地域の経済・社会に甚大な影響を及ぼすことが危惧される。引き続き米はもとより、本道の主要産品である畑作物や乳製品に係わる適切な国境措置の確保など、わが国の提案の実現に向け、不退転の決意で交渉に臨むよう国へ強く求めていく。

藻場・干潟保全基金への要望は

(21)水産問題について

1、藻場・干潟の保全について
千葉議員 水産庁では藻場・干潟の保全活動に対する支援のために、基金を造成する方針を打ち出している。道内ではどのくらいの要望があるのか。

高橋知事 海に面した81市町村のうち約四割にあたる30市町村から、植樹活動や海底の清掃活動などの要望が出されている。要望が支援制度の対象となるよう国へ働きかける。

入札制度を速やかに改善せよ

(22)入札契約制度について

千葉議員 最近のさまざまな課題を含め、入札制度全般について点検を行い、速やかに改善すべきだ。

高橋知事 入札契約制度をめぐる状況の変化などに対応し、不断に見直しを行うなど、入札契約制度の適正化に取り組む。地域の振興を図る上でも、地元業者の受注機会の確保に努める。