●令和2年第1回臨時道議会 自民党・道民会議質疑

桐木 茂雄(きりのき しげお) (釧路地域選出)

tanaka

新型コロナ対策で医療体制の充実を求める

昭和37年12月24日、釧路管内弟子屈町生まれ。弟子屈高校、東京商科学院専門学校卒業。弟子屈プロパン代表取締役、弟子屈町商工会会長などを経て、平成30年10月の道議補欠選挙で初当選。2期目。現在、党道連広報委員長。

 令和2年第1回臨時道議会が4月28日開会し、新型コロナウイルス対策として休業要請に協力した事業者への支援金交付、新千歳空港へのサーモグラフィー設置、帰宅が困難になった医療従事者への宿泊費助成などを盛り込んだ総額784億4400万円の令和2年度の一般会計補正予算案を可決し、閉会した。
 自民党・道民会議による質疑では、桐木茂雄議員が新型コロナ対策に関連し、医療体制の充実などを求めた。また、感染拡大防止に伴い、道民に厳しい負担を強いることに鑑み、知事や特別職の期末手当を1割削減する条例改正案、感染症対策の強化を求める意見書も可決した。
 第2回定例会は6月16日に開会し、自民党による一般質問(代表格)などが行われる予定で、詳細は本誌8月号で報じる。

新型コロナウイルス感染症対策について

(1)検査、医療提供体制の充実について

桐木議員 不調を訴えてもなかなかPCR検査を受けられないとの声が未だに寄せられていることから、必要な検査を速やかに受けられるよう、検査体制の充実を図る必要がある。どう対応していく考えなのか。

鈴木知事 医療機関などに対し検査実施の基準について周知に努めるとともに、帰国者・接触者外来の負担軽減を図るため、検体採取に特化した地域外来・検査センターを設置する。

桐木議員 最近では院内感染が急増しており、重篤な患者の治療に医療資源を集中できるよう、検査・診療体制を早急に整える必要がある。道内の医療体制をどのように整え、医療崩壊を回避する考えなのか。

鈴木知事 国の交付金などを活用した医療機関への支援、帰宅困難となった医療従事者の宿泊費用助成のほか、ふるさと納税を活用して地域医療を守るための寄付を募る。

(2)休業要請等支援金について

桐木議員 道は休業要請等に協力した事業者への、支援金交付事業費を、補正予算に盛り込んだ。理髪店や美容院など顧客との濃厚接触が避けられない施設が対象になっておらず、疑問の声も寄せられている。どのような考えで対象を設定したのか。

鈴木知事 先行して休業要請を実施した首都圏の措置内容も参考に、道の感染症対策本部において決定した。国が緊急事態措置の期間などを見直す際には、対象施設の拡大を検討する。

桐木議員 経営基盤の脆弱な飲食店は、休業要請等支援金が支払われたとしても、営業上のダメージをカバーすることは困難である。休業要請の実効性確保に向けてどう取り組んでいくのか。

鈴木知事 感染拡大防止と経済活動の活性化を図るため、休業補償や家賃助成、雇用調整助成金の拡充、旅行や飲食、物販等の需要喚起策に活用できる交付金の増額を国に要請していく。

(3)臨時的な職員の採用について

桐木議員 感染拡大で雇用をめぐる環境も厳しさを増しており、内定取り消しや雇い止めになった人を任用職員として採用する動きが東京都や大阪府などで出ている。道でも早急に検討すべきと考えるが、見解を伺う。

鈴木知事 内定が取り消された方を対象に職員採用試験の周知を行っているほか、感染症対策に従事する看護師や保健師などを募集してきた。さらに離職等を余儀なくされた道民を採用し、これまでの募集と合わせて100人程度の雇用を検討する。

(4)GIGAスクール構想の推進について

桐木議員 国の緊急経済対策では、児童生徒1人1台端末の整備に伴い、在宅オンライン学習に必要な通信環境を整備するための予算を措置している。令和5年度までの目標が前倒しされたことから、各市町村教育委員会と緊密に連携して整備を進める必要があるが、構想の推進にどう取り組んでいくのか。

志田教育部長 各端末メーカーや販売事業者から情報収集するとともに、調達方法などについて市町村教委に助言し、円滑な整備が進められるよう支援する。また、新設したICT教育推進局が中心となり、授業モデルの作成や教員の研修を行う。

(5)施策情報の発信について

桐木議員 国や道は、感染症の拡大防止対策と経済対策を相次いで打ち出しているが、多岐にわたり、相互に関係しているものも少なくないことから、分かりづらいものとなっている。情報発信を含め今後どのように取り組んでいく考えなのか。

鈴木知事 事態の推移や地域の状況に応じた切れ目のない対策に全力で取り組み、柔軟かつ迅速な財源確保、臨時交付金の増額などについて国に強く求めるとともに、支援策を分かりやすく紹介するサイトを開設する。

指摘

 休業要請等支援金の交付対象の範囲について、知事は、仮に国が緊急事態措置の期間などを見直す際には、対象施設の拡大を検討する考えを示した。事業者の声に十分耳を傾け、検討すべきである。支援金の規模については、柔軟な発想で、必要な財源の獲得に向け全力で取り組むべきである。
 検査・医療提供体制等の充実について、帰国者・相談者支援センターでの24時間対応や医療機関での受診対応を、道医師会と連携して進めるとの答弁だが、道民の不安を払拭できるよう万全の体制で臨むよう指摘する。