●平成24年第3回定例道議会自民党・道民会議代表質問・答弁要旨

自民党・道民会議 石塚 正寛 議員

tanaka

夕張でコンパクトな街のモデル事業

昭和26年留萌市生まれ。留萌高校、武蔵工業大学建築学科卒業。平成2年留萌青年会議所理事長、同11年留萌市議初当選(2期)。同18年道議補欠選挙当選。3期。現在は、道議会経済常任委員会理事、同自民党・道民会議政策審議委員会委員長。

 平成24年第3回定例道議会は9月11日招集され、10月5日まで25日間の日程で、総額95億円の一般会計補正予算案などを審議した。自民党・道民会議は石塚正寛議員が代表質問に立ち、原発・エネルギー問題、防災対策、離島振興、道新幹線の札幌延伸、エゾシカ対策、食中毒対策、建設産業支援、いじめ問題、学力向上対策、公安問題など道政上の課題について、知事、教育長、道警本部長にただした。

日本再生戦略への対応は

1、知事の政治姿勢について

(一)日本再生戦略について

石塚議員 政府が7月末に打ち出した日本再生戦略は、11の成長戦略と38の重点施策がうたわれているが、確実に推進できるとは到底信じられない。知事としてどのように受け止め、対応する考えなのか。

高橋知事 国政を巡る状況を注視しながら、食産業立国の推進や環境・エネルギー分野の先進モデルの創造、地域医療提供体制の充実、高速交通・情報ネットワークの形成など、本道経済の活性化や活力ある地域づくりに向け、必要な予算を確保できるように鋭意取り組む。

(二)エネルギー政策について

石塚議員 政府が設置したエネルギー・環境会議は、「2030年代に原発稼働ゼロを可能とするよう、あらゆる政策資源を投入する」などの戦略を明らかにした。この戦略は判断材料に乏しく、課題が多いと受け止めているが、どのように認識しているのか。

高橋知事 原子力の安全性の確保や使用済み核燃料の問題、再生可能エネルギーの不安定さ、インフラの未整備、多様なエネルギー源の確保にかかるコスト、地球温暖化への対応など、様々な課題が提起されている。これら全ての問題を同時に解決することは、なかなか難しい面があり、国として進むべき具体的な道筋を示していく必要がある。

(三)TPP問題について

石塚議員 知事はこれまで「道民理解のないまま交渉に参加することは断固反対」と主張してきたが、TPP参加に関する認識を伺う。

高橋知事 TPP協定に関する地方への具体的な影響に関する情報提供や説明は極めて不十分で、いまだに国民的議論は進んでいない。今後とも国民合意・道民合意がないままでのTPP協定への参加には反対するという、揺るぎのない姿勢で取り組む。

高橋知事

今冬の電力は確保できるか

二、道政上の諸課題について

(一)原発・エネルギー問題について

1、今冬の電力需給対策について
石塚議員 現在、原発の再稼働が見通せない中、今冬の電力が確保できるのか疑問だ。道民の生命・財産を守る立場にある知事として、電力の安定供給に向けて、具体的にどう取り組むのか。国に対して、原発の安全性を早急に示すように、強い姿勢で求めるべきだ。

高橋知事 この冬の需給状況は夏以上に厳しいものと見込まれる。国や北電に対し、正確な需給見通しや計画停電の回避に向けた更なる対策を早急に示すように強く求める。分野ごとに節電対策を協議する場の設定や自家発電に対する支援制度の促進などの、必要な対策について早い段階から国や関係機関、経済団体としっかり連携を図りながら、最善を尽くす。今後とも、国の早急な対策を様々な機会を通じて求める。

2、原子力防災計画の見直し等について
石塚議員 国の原子力防災に関する新たな指針は未策定で、道や県の原子力防災計画の見直しに影響を及ぼしている。道は第2回定例会で「秋頃を目途に道の計画を修正する」と答弁していたが、予定通りできるのか。

高橋知事 現在、有識者専門委員会や後志管内市町村の実務者会議で見直し作業を進めている。国の指針の策定作業の遅れで、道防災会議の正式な決定もずれ込むことが見込まれるが、10月中旬にも案の段階で関係市町村に示したい。

3、オフサイトセンターの見直しについて
石塚議員 新たなオフサイトセンターはいつ頃、立地場所を決定するのか。万が一の際は、後志総合振興局が代替施設として活動することになるが、機能強化を図るべきだ。

高橋知事 10月中に立地場所に関する基本的な考え方を整理した上で、候補地は年内を目途に決定する。代替オフサイトセンターは、テレビ会議システム、事故時の進展を予測するERSS、緊急時の放射性物質の拡散予測システムSPEEDIなどの設置に取り組んでおり、年内には整備が完了する見込みだ。

(二)防災対策の総合的な推進について

1、防災の観点に立った政策の構築について
石塚議員 自民党はあらゆる行政分野で国土を強靭化するための「国土強靭化基本法案」を国会に提出した。道としても、地域づくりや廃棄物対策、企業誘致や観光、社会資本整備など幅広い行政分野で、防災の観点に立った政策の点検・構築を図るべきだ。

高橋知事 災害に強いまちづくりやバックアップ機能の強化などは、幅広い分野の施策が関連する。政策全般について防災の観点から点検・検証することは重要と考えている。こうした視点を取り入れた施策評価の手法について検討し、防災の観点に立った施策の見直しを行うなど、より大きな効果が発揮できるよう取り組む。

2、災害に強いまちづくりについて
石塚道議 災害に強いまちづくりについて、課題への対応を含めどのように取り組んでいくのか。

高橋知事 地震・津波災害について、ソフト、ハード両面から総合的な対策を推進するため、防災対策全般の点検や見直しを行っている。各振興局の「地震・津波等災害対策推進地方本部」を窓口にして、市町村への支援体制の整備や連携をさらに強化し、災害に強いまちづくりに取り組む。

(三)振興局等の災害対策について

1、津波対策について
石塚議員 振興局の庁舎が津波に襲われた場合、業務を続けることは困難だ。津波対策をどう考えているのか。

多田副知事 津波被害が想定される庁舎は、周辺の道有施設や国・市町村などの施設の状況を、年内を目途に調査し、代替施設をあらかじめ確保するなど、災害時の優先業務を継続して行うための対策を講じる。

2、業務継続計画について
石塚議員 地方災害対策本部が置かれる振興局などのBCP(業務継続計画)は策定されていない状況にあり、策定を急ぐべきだ。

多田副知事 今後、計画作成のポイントを盛り込んだ指針を基に、各振興局の実態に応じた優先業務の選定や職員体制のあり方などを検討し、できる限り早期にBCPの策定に努める。

(四)本庁舎の長寿命化について

石塚議員 道の本庁舎の耐震改修事業は平成27年度の完成を目指して、来年度から工事に着手する。この工事の実施と併せて庁舎の長寿命化や省エネ化に向けた改修を早期に実施していく必要があると考える。

高橋知事 耐震工事改修に伴って実施される機器更新の内容も踏まえながら、空調システムの更新や外壁面の高断熱化を含め、来年度から計画的に本庁舎の長寿命化や省エネ化の取り組みに着手したい。

(五)北方領土隣接地域振興計画について

石塚議員 この度第7期計画骨子案が示された。振興施策の財源が従来の枠組みの止まるならば、施策の実効性の確保は難しい。道として、計画の実効性をどう確保していく考えなのか。

高橋知事 第7期計画では新たに「重点的に実施する施策」を設定するほか、進捗管理の手法を導入するなど計画に基づく施策が、着実に成果を生み出していくようにしたい。地元1市4町と連携を図りながら、国へ計画に基づく事業予算の優先採択や制度改正に向けた要望を行うなど、計画の実効性確保に向けて努力する。

(六)地域政策展開方針について

石塚議員 地域政策展開方針の策定にあたっては、地域の生の声の把握が重要だ。方針が特定分野別計画で制約されることがないための調整・連携や、施策の確実な実施を図るための振興局独自事業予算、地域づくり総合交付金の確保が求められる。策定に向けてどのように臨むのか。

高橋知事 地域意見交換会やアンケートなどを通じて地域意見の把握に努めてきた。各振興局と各部が地域づくり推進本部での意見交換などを通じ、密接に連携しながら策定作業を進める。独自事業や交付金などについても必要な見直しや予算確保に努める。

(七)離島振興について

石塚議員 改正法では、離島振興対策実施地域の振興に関し、必要な事項も定めるとされている。本道の実情を踏まえた振興計画とするため、どのように臨むのか。

高橋知事 計画策定にあたり、離島の産業・生活基盤の整備や本土地域との格差解消、観光振興など、離島と対岸地域などとの交流拡大や離島間の連携といった幅広い視点を持ちながら、新たな活力を生む特色ある計画となるよう、実情に即した計画を策定したい。

(八)総合的なまちづくりの推進について

石塚議員 夕張市の財政再建課題のうち、最も優先度の高い課題にコンパクトシティの推進がある。同市を総合的なまちづくりを推進する市町村のモデルとして取り組んではどうか。

高橋知事 夕張市の取り組みに併せ、商店街の活性化や買い物弱者への支援、集落対策といった道の施策も組み合わせて支援することで、総合的なまちづくりのモデルとなるよう、同市と十分協議しながら取り組みを進める。成果を人口減少や高齢化に悩む他市町村にも広げていけるように努める。

(九)北海道新幹線の札幌延伸について

石塚議員 24年間の整備期間については、工期短縮、早期開業を求める声が上がっている。今後どのように取り組むのか。

高橋知事 新幹線による道内経済の活性化といった観点から、少しでも建設工期が短縮されることが望ましい。国に対し、財源確保の前倒しや地方負担の軽減、新たな財源の枠組み検討などで工期の短縮が図られるよう、オール北海道として要請する。

(十)エゾシカ対策について

石塚議員 昨年度の捕獲数は過去最多で、増加の一途をたどっていた生息数に一定の歯止めをかけた。しかし、農業被害は59億円を超えるなど深刻な状況は改善されていない。来年度から「第2期緊急対策期間」を設定し、さらなる取り組み強化を図るべきだ。

高橋知事 来年度以降については、これまでの取り組みを検証した上で、緊急対策期間を延長し、さらなる捕獲対策の強化を図りながら、平成26年度の制定に向けて検討を進めている「エゾシカ対策条例」(仮称)へつなげたい。

高齢者の孤独死問題について

1、受け止め方について
石塚議員 先日、倶知安町でお年寄りの孤独死が判明した。経過を見ると、福祉事務所職員の怠慢を指摘せざるを得ない。知事はこの事態をどう受け止めているのか。

高橋知事 生活保護を受けていた単身高齢者が、情報の共有化が図られなかったことにより、死後数カ月にわたりその安否が確認されなかったこと、本庁に速やかに連絡されなかったことは誠に遺憾で、今後の対応に反省すべき点があった。

2、全道の実態について
石塚議員 同様の事案がほかにないのか、全道の状況を調査すべきだ。

高橋知事 生活保護世帯を含めた単身高齢者の孤立死の有無、孤立死があった場合の見守りや安否確認の状況、生活保護受給の有無や関係機関の連携状況などについて、すみやかに実態調査を実施する。調査結果を活用し、道都市町村との一層の連携に努め、高齢者が地域で孤立することなく、安心して生活ができるよう取り組む。

3、今後の対応について
石塚議員 再発を防止し、高齢者の安否確認、見守りを進めるためには、道庁の内部や道と市町村の連携体制を、きちんと定める必要がある。

高橋知事 この度の事案の要因や背景を分析した上で、庁内関係部局や道と市町村との連携がより一層図られるよう、要援護者に対する関係機関連携マニュアルを作成する。連絡会議の開催などで情報の共有化を図り、振興局から本庁への報告の徹底に取り組む。

O157による食中毒について

石塚議員 7人の犠牲者を出したこの度の157による食中毒の経緯を踏まえ、どのように関係機関との連携に取り組むことにしたのか。高齢者に食事を提供する社会福祉施設での食中毒発生防止にどのように取り組むのか。

高橋知事 食中毒が広域に発生した場合を想定し、道と保健所設置4市による常設の合同対策本部を設置するほか、庁内の北海道食の安全・安心推進本部の下、速やかに関係部連絡会議を会差するなど、迅速かつ適切な対策に取り組む。社会福祉施設などについては実地指導や研修会、会議を通じて自主衛生管理を徹底し、認知症高齢者グループホームでは実態把握を行った上で衛生管理マニュアルを作成するなど万全を期す。

道立病院改革プランについて

石塚議員 道立病院の経営形態の見直しを進めるにあたっては、地域枠で入学した学生が卒業する平成26年以降の医師派遣体制がどのようになるかなど、医師確保対策について十分に検討する必要がある。

高橋知事 経営形態の見直しにあたっては、医師確保が重要な課題になっている。26年以降に卒業する地域枠医師の活用について検討するなどして、プランの初期段階で医師の安定的な確保の見通しを得た上で、見直しを進める。

医師確保について

石塚議員 医師など医療技術者が札幌市や旭川市に偏在し、医師不足は改善していない。本道の医師不足解消に向けて、どのように取り組むのか。

高橋知事 道内の医療事情を踏まえ、地域の中核病院への専門医派遣、総合内科医の養成、女性医師に対する復職研修の充実などで、医育大学や関係団体との連携を強化しながら、一人でも多くの地域医療を担う医師を確保できるよう、最大限取り組む。

中小企業金融円滑法について

石塚議員 中小企業金融円滑法は来年3月で期限を迎えるが、地域からは続けてほしいとの声が上がっている。どのように対応するのか。

高橋知事 法の期限到来に伴う国の対応が、中小企業に十分配慮したものとなるよう、全国知事会などを通じ、法の一定期間の延長や失効した場合の支援施策の着実な推進を国に強く要請している。

地域商業の活性化について

石塚議員 地域商業の活性化に関する総合施策事業は積極的に展開すべきと考えるが、今後、地域の取り組みをどのように定着させていくのか。

高橋知事 地域の特性を踏まえ、計画づくりから事業化までの一貫した取り組みを支援し、補助事業の終了後も5年間、市町村や道中小企業総合支援センターなどの専門家と連携し、事業継続上の課題解決の検討など、定着に向けフォローアップする。成果や一連のプロセス、モデル事業者の体験を発信するなど、取り組みが他の地域に波及するよう、きめ細かな支援に努める。

海外との経済交流について

石塚議員 道では海外との経済交流の拡大を図るため、「海外との経済交流推進方策」の改訂に向けて検討を進めている。今後、どのような視点で、海外との経済交流を進めていく考えなのか。

高橋知事 ロシア極東地域では、各地方政府との連携を密にし、環境・エネルギーなどの現地の社会的課題の解決に向けて、道内企業の参入を促進する。シンガポールをはじめとするASEAN諸国や台湾などについては、民間活動を主体とし、道内企業と現地企業の商談機会を拡充する。交流の拡大に向けて、競争力のある商品づくり、国際的なビジネス環境への対応、「北海道ブランド」の浸透も重要。道内企業が海外市場に果敢に挑戦できるよう、実効性の高い方策を検討する。

BSE対策について

石塚議員 国の食品安全委員会プリオン専門調査会は、アメリカなどからの輸入牛肉について対象月齢を「30カ月齢以下」に緩和しても、食の安全上問題ないという評価案を示した。知事の認識を伺う。

高橋知事 牛肉の輸入制限や国内牛の検査対象月齢の緩和を容認する内容になっているが、成案を得る過程で安全性を最優先に検討させるべきだ。米国からの輸入牛肉に関しては、特定危険部位のせき柱が混ざって出荷されるなど、輸入条件の違反について懸念している。自主的に実施している全頭検査については、「北海道食の安全・安心委員会」や道民や関係団体の意見、全国の他の自治体の動向なども踏まえながら慎重に検討する。

飼料価格の高騰について

石塚議員 配合飼料価格が高騰した場合、国の基金による配合飼料価格安定制度が設けられているが、基金の財源不足や価格高止まりの際の生産者負担の増加などが想定される。制度見直しの声も上がっており、今後どのように対応するのか。

高橋知事 今後の価格動向や補てんの発動状況を注視しながら、関係団体と連携し生産者負担が増えることのないよう国に強く働きかける。本道の酪農・畜産の持続的発展を図るためには豊富な自給飼料基盤を効果的に活用することが重要だ。草地の低コスト更新、とうもろこしの作付拡大など飼料自給率の向上に向けた取り組みや、TMRセンターやコントラクター組織の育成に努める。

水産資源の増大について

石塚議員 近年、秋サケの来遊、ホッケの漁獲量が減少している。道は水産業・漁村振興条例の基本理念を具現化するため、新たな推進計画の策定に取り組んでいるが、資源の回復や増大に向けてどのように進めるのか。

高橋知事 新たな推進計画の策定では、ホッケの未成魚の保護、試験研究機関と連携した資源管理の推進、環境の変化に対応したサケのふ化放流技術の改良、ニシン・ナマコなどの種苗放流の拡大、産卵や保育の場となる藻場の整備など、資源の増大に必要な施策を位置付け、今後とも本道水産業がわが国の水産物の拠点としての役割を果たせるよう、しっかり取り組む。

道産木材の利用促進等について

石塚議員 今年6月のカラマツやトドマツの丸太在庫量は、例年を2割あまり超えており、道はどのように対応するのか。現在検討している新たな森林づくり基本計画で、道産木材の利用促進や安定供給に向けてどのような取り組みを進めるのか。

高橋知事 木材供給量の調整や雇用の確保の観点から、道有林で販売する木材の搬出期限の1年間延長、公共土木工事での積極的な木材利用などに取り組んでいる。新たな計画では、低コストで安定的に道産木材を供給する仕組みづくり、ハウスメーカーと連携した住宅への利用、道外市場への普及・PRなど、需要拡大に向けた取り組みを位置付け、森林資源の循環利用による山村地域の活性化や森林機能の維持増進を図る。

建設産業支援プランについて

石塚議員 建設産業支援プランに基づき施策に取り組みながら、好転しない建設産業の状況や地域の意見をどう受け止め、新プラン策定にどのような考えで臨むのか。

高橋知事 本道建設業は営業利益率の低迷など厳しい経営環境に置かれていると認識している。新プランの策定にあたっては、現プランの検証などをもとに、各建設監理部に設置した「建設業経営効率化協議会」による、発注者、受注者双方の企業経営向上に向けた経営効率化の取り組みの充実、経営戦略などに対する専門家による相談支援体制の強化のほか、新たに新規入職者の確保に向けた情報交換の場の開設などの取り組みを強化し、本道建設業が今後とも持続・発展していけるよう支援する。

いじめにどう取り組むのか

三、教育問題について

(一)いじめ問題について

石塚議員 文教委員会でわが会派の議員が「いじめ問題については、学校ばかりではなく、行政においても機動的、専門的な体制づくりが必要だ」と指摘した。どのように取り組むのか。

高橋教育長 今月中を目途に、2人の専門職員と関係課や道立教育研究所の指導主事らからなる「いじめ問題対策チーム」(仮称)を設置する。併せて学校や市町村教育委員会に対する指導・助言、支援を行うチームを設置し、いじめ問題への対応を一層強化する。

(二)学力向上対策について

1、関係者の意識について
石塚議員 今年度の全国学力テストの結果、依然として全国平均を下回るなどの課題が残っている。教育長自らが教育長会や校長会、PTAなどの会合に出席し学力向上に向けた取り組みの精力的な普及・啓発を図っているが、各団体はどのような意識を持っているのか。

高橋教育長 各管内教育長の会議では学力向上策をテーマにした協議が活発に行われている。独自の学力調査を全ての小中学校で実施、退職教員や地域住民がボランティアで学力向上にかかわる取り組みも見られるようになってきた。北海道小学校長会は総会決議で位置付けた。危機意識や課題認識の共有が進んでいると受け止めている。各市町村の取り組みには差もみられ、学力向上の取り組みの一層の充実が図られるよう積極的に働きかける。

2、地域での取り組みについて
石塚議員 釧路市では基礎学力習得の保証を目的とした条例の制定を検討し、十勝教育局管内の教育部会は学力向上プロジェクトチームを組織することにした。このような取り組みにどう対応するのか。

高橋教育長 基礎学力問題に関する危機感の共有が、地域全体に広がりつつある現れであり、学力を「全国平均以上」にするという大きな目標の実現に向けた着実な一歩と考えている。こうした取り組みが全道に広がるよう、さらなる啓発に努め、きめ細かな支援を一層充実させる。

3、理科教育について
石塚議員 民主党政権の仕分けで理科教育支援員事業が来年度から廃止される。極めて残念であり、国に事業継続を強く求めるべきだ。

高橋教育長 本道でも平成19年度から全ての管内で実施し、昨年度は小学校83校に74人の理科支援員を配置した。理科教育の充実を図る上で極めて重要であり、継続が必要と認識。各種団体と緊密な連携を図り、要望活動を積極的に展開する。

4、結果の公表について
石塚議員 学力テストの公表について、教育長は「市町村教育委と協議したい」と述べていたが、どのように進めるのか。

高橋教育長 道内の希望利用式による調査結果と抽出調査の結果を合算した分析結果を、年内を目途にまとめたい。市町村教委とよりよい公表のあり方について、精力的に協議を進める。

(三)教職員の服務について

石塚議員 道監査委員の平成23年度定期監査の結果、道立学校2校で校外研修の事実が確認できないにもかかわらず、給与を支給したことは不適切と指摘された。教育長はどう受け止めているのか。

高橋教育長 これまでも、長期休業期間中の校外研修について、適切に取り扱うよう指導してきた。今回、同様の自体が指摘され、誠に遺憾で、重く受け止めている。職員本人、校長の責任を明らかにし、厳正に対処する。こうした事態が再び生じないよう、校外研修にかかわる取り扱いを含め、教職員の服務規律の確保を徹底する。

職員不祥事の防止対策は

四、公安問題について

(一)職員の不祥事について

石塚議員 道警では、本年度上半期に22人が不祥事で懲戒処分を受けており、一昨年1年間の処分者数25人に迫る状況だ。どう防止対策に取り組むのか。

園田道警本部長 幹部職員による重大な不祥事が相次いで発生するなど、極めて憂慮すべき事態で、大変重く受け止めている。職務倫理教養の徹底や各種業務管理システムの見直しなどの対策を講じるとともに、本年1月に設置した「北海道警察刷新強化委員会」で、職員一人ひとりが具体的な方策を考え、実践するための組織「きずな研究会」を全ての所属で立ち上げて運用している。幹部職員の不祥事案防止のため、方面本部長、各部長が直接警察署に赴くなどして再発防止の指導を実施した。

(二)交通死亡事故抑制対策などについて

石塚議員 本年は、7月までの交通事故発生件数、負傷者数はともに昨年同期を下回っているが、死亡者91人と昨年より10人多い。このうち65歳以上は43人で昨年より増加している。秋の交通安全運動期間中、交通死亡事故抑止にどのような取り組みを行うのか。

園田道警本部長 例年、道内の交通死亡事故は下半期に増加する傾向にあり、これからが正念場と考えている。日没時間が早まり、秋の行楽シーズンで重大事故多発が懸念される。夕暮れ時間帯の市街地における交差点違反、郊外部の最高速度違反などの交通指導取り締りを強化し、高齢者の反射材の装着など活動を広げる。「秋の全国交通安全運動」についても、死亡事故多発路線の最高速度違反、通行区分違反の集中取り締まり、飲酒運転の取り締まりのほか、パトカーの赤色灯を点灯させ走行するレッド警戒活動などの取り組みを強力に展開し、悲惨な交通事故を1件でも減少させるように取り組む。

■ 自民党・道民会議一般質問項目 ■

□堀井 学(登別市)

□笠井龍司(釧路市)

□川畑 悟(室蘭市)

□野原 薫(北広島市)

□梅尾要一(千歳市)

□松浦宗信(根室市)

□東 国幹(旭川市)

□中司哲雄(根室管内)

□中村裕之(後志管内)

□村田憲俊(後志管内)