中曽根康弘元総裁基調講演要旨



開会の挨拶をする橋本聖子道連会長
 憲法をつくるのに一番大事なものは、現在の日本がどういう位置にあるか、縦(歴史)と横(社会、世界)の座標軸がどこにあるかを知ることだ。今生きている者だけでなく、先祖から子孫に至るまでが国民だ。座標の位置を知るのに最も大事なのは歴史観だ。
 日本がなぜ混迷しているかというと、指針、目標、理想がないからだ。マッカーサーが設計して米国流のトタン屋根を作ったのが今の憲法。60年たって雨もりがしているのを瓦屋根のヒノキ造りの日本らしいものを造って出直そうという憲法改正の意欲が生まれてきた。これは、まだ日本人が底力を持っているという証拠だ。
 米国流の憲法は良いところもあったが、憲法制定から60年の還暦を迎えた。この60年を点検し、良いところは残し、悪いところは改める必要がある。
 戦後、自民党は敗戦で失われた国権の回復に全力を注いできた。これからの大きな仕事は憲法改正だ。国民自らの手で憲法改正を行えば、必ず民族の精神は高揚する。
 日本が今の経済国家から、教育文化国家へ衣替えしていく方向に
日本を持っていくのが憲法改正だ。歴史と現在の価値がうまく結合することで国の発展がある。「不易と流行」の精神で、日本を築いていかなければならないと思っている。






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