●平成23年第4回定例道議会自民党・道民会議一般質問(代表格)・答弁要旨

自民党・道民会議 松浦 宗信 議員

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知事が北電「やらせ」で監督責任認める

 昭和29年根室市生まれ。日大理工学部卒業。根室市議2期を経て、平成19年に道議会議員初当選。2期目。現在、道議会経済常任委員会副委員長、同北方領土対策特別委員会理事、同自民党・道民会議政審副委員長、自民党道連組織筆頭副委員長、同党紀副委員長、同政務調査会事務局次長。

 平成23年第四回定例道議会は11月25日招集され、12月9日まで15日間の日程で総額173億9千万円の一般会計補正予算案などを審議した。自民党・道民会議は松浦宗信議員が一般質問(代表格)に立ち、知事の政治姿勢で行財政改革、TPP問題、エネルギー政策をただしたのをはじめ、産業振興ビジョン、地域防災計画、原子力防災計画、道新幹線、エゾシカ対策、医療問題、北東アジア・ターミナル構想、学力向上対策、会計検査院検査結果、道民の安全・安心の確保などについて、知事、教育長、道警本部長の見解をそれぞれ求めた。

行革をどう評価するのか

1、知事の政治姿勢について

(1)行財政改革について
1、行財政改革の取り組みについて
松浦議員 平成20年度から26年度までの7年間の前半4年間の行財政改革の取り組みについて、どのように評価しているのか。
高橋知事 収入不足額は着実に減少しているが、世界的な経済危機や東日本大震災の発生などを受けて、施策によっては、必要な水準を維持するとともに、新たな財政需要にも対応してきたことにより、依然として財政状況は厳しい。こうした財政状況を踏まえ、持続可能な行財政構造を構築していくため、行財政改革の取り組みを一層強化していく必要があると考えている。

2、「行革の後半期の方向性」について
松浦議員 今議会の補正予算で、60億円の投資単独事業の予算化を要望するなど、わが会派は本道経済の活性化に取り組んできた。行財政改革を進めるにあたり、経済活性化にどのように取り組むのか。
高橋知事 行財政改革の取り組みを進めるに当たっては、歳出削減はもとより企業活動を活性化させ、雇用の創出により、道民所得を高め、道税収入の安定的な確保を図ることが重要。今後も、自立型経済産業構造の構築に向けて「ほっかいどう産業振興ビジョン」を年内に策定し、選択と集中の観点から成長分野における取り組みや、地域を支える中小企業の競争力強化に向けた取り組みをより一層推進する。

本道の実態を国へ主張せよ

(2)TPP問題について
松浦議員 道は、知事をトップとするTPP協定対策本部を発足させた。なし崩しに事が進められないよう、本道への影響を速やかに把握し、実態を踏まえて国に主張すべきだ。TPP問題にどう対応するのか。
高橋知事 交渉内容によっては、本道経済や地域社会全体に多大な影響を与えることが強く懸念されるにもかかわらず、十分な情報提供や国民合意がないまま、交渉参加に向けた関係国との協議の開始が表明されたことは極めて遺憾。対策本部で道内の産業や道民生活に及ぼす影響について、速やかに調査・分析し、懸念事項への考え方などを明らかにするよう、国へ強く求める。道民合意や国民合意のないまま、TPP協定に参加しないよう、オール北海道で強く働きかける。

検証委の結論にどう対応するか

(3)エネルギー政策について
1、電力供給確保について
松浦議員 国が明らかにした来年8月の電力需給見通しでは、原発による供給がない場合、本道では32万キロワットの供給不足になる。こうした国の見通しについてどう認識しているのか。国や北電に電力の安定確保を求めていくべきだ。
高橋知事 道民生活や経済産業活動に影響を及ぼすような、極めて厳しい状況が想定されると認識している。国に対して正確で迅速な情報提供を求めるとともに、自家発電設備の導入や省エネ投資の促進など、需給対策アクションプランの実効性の確保、電力会社に対する供給力増強対策の指導を強く要請したい。北電に対してはあらゆる供給力対策を講じて、安定供給確保に万全を期すよう強く求める。

2、大間原発について
松浦議員 燃料の全てがMOX燃料である大間原発は、震災の影響で建設が中断されているが、必要性や安全確保について函館など道南地域から不安の声が上がっている。建設再開についてどう対応していくのか。
高橋知事 工事再開の可否については、大間原発の位置付け、必要性、安全性について、道民が納得できる説明がなされることが前提。今回の福島の事故で、MOX燃料がどう影響したか、国でしっかり検証がなされる必要がある。

3、第三者検証委員会報告への対応について
松浦議員 検証委の報告では、プルサーマル計画への担当課長の北電に対する発言について、「不適切な発言」としている。担当課長は、北電に対して意見募集を要請する意図については明確に否定し、「不適切との厳しい評価は受け止める」と述べている。この検証委の結論にどう対応するのか。
高橋知事 検証委の調査結果では、当時の担当課長の不適切な発言はあったが、道の組織的な関与はなく、プルサーマル計画の事前了解の可否判断に及ぼしたことはないとし、道はこの結論を受け入れることにした。担当課長の発言は誤解を招く不適切なものであり、私自身の監督責任を含め、早急に道としての責任を明らかにするとともに、幹部職員の意識啓発など適切な改善策を講じる。

新たな施策や拡充策を示せ

2、道政上の諸課題について

(1)産業振興ビジョンについて
松浦議員 道が「必ずしも十分でなかった」としている中小企業や企業立地促進のほか、移輸出型産業や域内循環の強化に向けた新たな施策や施策拡充について、どのように考えているのか。
高橋知事 優位性を有する食やエネルギーの分野で、新たに食品加工機械などの研究開発を促進するとともに、新エネルギー発電施設などの立地促進のため産業振興条例に基づく助成要件など支援措置の見直し、地域商業活性化のための体制づくりへの支援などを検討する。新エネルギーの地産地消の促進、道産食品の東アジア市場への売り込みなどの施策を展開する。

実効ある取り組みで商業活性化を

(2)商業活性化条例について
松浦議員 条例の目的達成のためには、実効ある取り組みが必要だ。制定に合わせて、地域の商業活性化に向けてどう取り組んでいくのか。
高橋知事 地域の商業者や商工団体、住民組織による推進母体の形成や、商業活性化計画づくり、具体的な取り組みの実現などを、きめ細かに支援するとともに、地域と一体となった大型店の地域貢献活動の一層の促進に努める。具体的な取り組みの方向性を示す方策を年度内にまとめる。

しっかりした雇用創出目標を掲げよ

(3)新たな雇用創出基本計画の策定について
松浦議員 策定中の平成24〜27年度を計画期間にする第三期雇用創出計画は、しっかりした雇用創出目標を掲げるとともに、雇用の受け皿になる産業の振興や道内各地の課題や潜在力に即した取り組みを進め、点検・評価の仕組みも検討すべきだ。
高橋知事 10万人の雇用創出を目指し、「雇用の受け皿づくり」「雇用のセーフティーネットの整備」「就業の促進」の3つの柱に沿って検討を進める。就業者数や就業率などの雇用情勢を的確に把握・分析し、毎年度策定する「推進計画」に反映させるなど、施策の点検評価システムの検討を行う。

地域防災計画の見直しの観点は

(4)地域防災計画の見直しについて
1、計画見直しの観点について
松浦議員 本年度修正を予定している地域防災計画では、具体的な課題についてどのような観点から見直しをしたのか。
高橋知事 東日本大震災を踏まえ、「地震・津波等災害対策推進本部」を設置し、防災計画全般について点検・見直しを進めている。自助・共助による地域防災力の強化、振興局を含む道庁の防災強化、関係機関との連携強化の3つの観点から作業を進める。年度内を目途に修正案を取りまとめ、来年度早々に道防災会議で計画修正を決定する。

2、地域防災計画の見直しについて
松浦議員 市町村庁舎が被災すると仮定した場合、その行政機能を確保するため、どのように取り組んでいくのか。
高橋知事 道内市町村の災害時における業務継続計画の策定状況を、今年度中に調査するとともに、計画の目的や重要性について周知を図るなどして、早期の策定を促したい。道と市町村相互の応援協定の見直しなどを行い、広域的な連携、協力体制や行政情報のバックアップ機能などの充実に向けて議論を深め、災害時における市町村の行政機能の確保に取り組む。

3、応急仮設住宅用地について
松浦議員 応急仮設住宅の建設主体は基本的には都道府県であり、道として建設用地や可能な戸数の把握に取り組むべきだ。
高橋知事 国が現在行っている課題の整理、検証を踏まえ、事前に建設用地や可能戸数などについて、市町村としっかり連携して調査を行い、「北海道防災計画」に反映するなどして、対応に万全を期す。

専門委の課題にどう対応するか

(5)原子力防災計画について
松浦議員 道の有識者専門委員会から45項目の課題と対応方針が示された。この報告を受けて、道の原子力防災計画の見直しにどのように取り組んでいくのか。
高橋知事 この対応方針に基づき、避難道路の判断基準やオフサイトセンターの設置要件などの早期検討や、避難道路整備のための財政支援などについて、国に強く要請し、原子力防災計画の抜本的な見直しを行う。年度内を目途に関係町村の地区別居住人口や避難所などの基礎的な資料の収集・整理など、計画見直しに向けた準備作業に取り組む。

50年間使用の改修工事も必要

(6)本庁舎の耐震化について
松浦議員 平成27年度の本庁舎の耐震化に向けて検討が進められているが、建築後40年使用しており、排水管や水道管などの劣化や断熱性能が低い施設など、今後50年間使用していくための改修工事についても併せて検討する必要がある。
高橋知事 来年度に各種設備の老朽化度合いなどを調査して、改修の時期や費用などを把握するとともに、断熱性能の向上策なども検討した上で、本庁舎の長寿命化に向けた改修計画を取りまとめる。

総合的な観点で取り組むべきだ

(7)地域づくり施策について
松浦議員 地域の実情をみると、これまでの施策が奏功しているとは言えない。地域づくりにあたっては、政策展開方針のほかに、分野ごとの施策がそれぞれの計画に基づいて進められているが、生活を支える基盤や施策について、総合的な観点で取り組むべきだ。
高橋知事 さまざまな施策が地域課題の解決にどの程度寄与しているのか、取り組みや連携が不足している施策がないか、などといった総合的な視点での検討が今後さらに必要。地域の実情や状況変化を的確にとらえ、地域づくり推進本部で地域課題の解決に向けた総合的な検討を一層深め、より実効性ある施策が展開できるよう努める。

自治体の要望にどう対応するか

(8)道南地域の並行在来線対策について
1、新函館開業に伴う並行在来線について
松浦議員 先月開催された道南地域並行在来線対策協議会で、道はバス方式に転換し、沿線自治体との負担割合を1対1とする方針を示した。鉄路存続、負担割合の変更など沿線自治体の要望についてどう対応していくのか。
高橋知事 協議会では道の考え方に対し、鉄道の維持やより大きな道の負担を求める意見があった。今後の協議に向け、鉄道方式における経費圧縮の可能性や負担のあり方についても、より細やかな検討を行うなど、同と沿線自治体が一致協力して地域の足を確保することができるよう、しっかり取り組む。

2、北海道新幹線の札幌延伸に向けた対応について
松浦議員 道の考え方を函館市に伝えたと聞いている。札幌延伸の実現に向けた、経営分離に関する沿線自治体の合意形成を図るための取り組みと受け止めるが、今後どう対応していくのか。
高橋知事 長年の悲願である札幌延伸の実現に向けて、函館市をはじめ函館・小樽間の沿線自治体が1日も早く経営分離について、理解されるよう鋭意取り組んでいる。国が早期に延伸の方針を決定するよう全力を傾ける。

東北から人材の確保をすべきだ

(9)新規採用職員について
松浦議員 近い将来、中堅層職員が不足する状況を踏まえ、例えば、東日本大震災で雇用機会が減少している東北地方から優秀な人材を確保すべく、東北地方での採用試験も検討すべきだ。
高橋知事 職員数適正化計画に基づく採用抑制に伴い、30歳以下の若年層職員が著しく不足している。中長期的な視点に立った新規採用のあり方について検討を行うとともに、中堅職員の育成・確保や定年制延長への対応など、今後の公務運営上のさまざまな課題への対応についても検討を進める。東北地方での採用試験が来年度実施されるよう人事委員会とよく話し合う。

国立公園内の食害が深刻だ

(10)エゾシカ対策について
1、捕獲目標の達成に向けた取り組みについて
松浦議員 昨年度のエゾシカによる被害額は、過去最悪だった一昨年を上回る60億円に上った。今シーズンの捕獲目標はこれまで最高の15万7千頭としているが、目標達成に向けてどう取り組むのか。
高橋知事 道では昨年度から地域づくり交付金を活用し、市町村の有害捕獲頭数の増加を図っている。その結果、昨年度は約11万頭の実績になった。今年度は狩猟解禁日の繰り上げやオスジカの狩猟制限の緩和、国の交付金を活用した「くりなわ」による捕獲の普及などに積極的に取り組んでいる。自衛隊の協力による捕獲は、昨年度の白糠町に、新たに遠軽町を加えた2カ所で実施する。

2、エゾシカ対策について
松浦議員 道内に6カ所ある国立公園内の植物は、エゾシカの増加で食害が深刻と聞く。国立公園内のエゾシカの捕獲が進められるよう、国に要請すべきだ。
高橋知事 シレトコスミレなど希少な植物の食害が確認され、自然生態系への影響が懸念される状況で、平成19年度から国自らが捕獲を実施している。地元市町村と連携しながら実施している釧路湿原国立公園での試験捕獲を今年度も実施するほか、国指定の鳥獣保護区内の捕獲ができるよう国に要請する。

循環税事業は継続すべきだ

(11)循環資源利用促進税について
松浦議員 条例では5年を目途に、必要な措置を講じることとしている。依然として大量の最終処分量があり、リサイクル率も極めて低い伸びにとどまっていることを考えると、当然継続するべきだ。
高橋知事 学識経験者や産業・経済団体から、汚泥や廃プラスチック類のリサイクルの促進など種々の課題が指摘され、産業廃棄物のさらなる減量化やリサイクル技術開発の取り組みを促進するため、循環税事業を引き続き推進していくことが必要との提言があった。提言をもとに現行の税制度を継続、5年を目途に事業効果を検証し、循環型社会の構築を加速していく。

主体的にがれき処理に対応せよ

(12)震災がれきの処理について
松浦議員 北海道と東北は地理的にも歴史・文化的にも緊密な関係にある。岩手県内の仮置き場に職員を派遣して状況を把握して、道として主体的に対応することも必要だ。
高橋知事 道として職員を派遣し、東京都の事例の進捗状況や現地で情報収集に努める。今後、国から具体的な要請があった場合には、放射性物質の安全性を十分確認するとともに、受け入れを求められる廃棄物の種類・量や処理方法、風評被害対策などの対応について、関係する市町村と十分相談しながら対処する。

サービス充実等をどう反映させるか

(13)高齢者福祉問題について
1、第5期計画について
松浦議員 知事は公約で「高齢者や障害者向けサービスの充実、市町村と連携した取り組みの推進」を掲げたが、第5期計画にどのように反映させるのか。
高橋知事 道は次期計画で各市町村と連携しながら、施設・在宅サービスの充実強化、配食、買い物支援、見守りなどサービスの確保も図り、「地域包括ケアシステム」の構築に取り組む。このため、市町村に対し、振興局の支援チームが技術援助を行うとともに、市町村の先行事業などを紹介し、地域住民自らが参加する地域づくりを支援する。

(14)2次医療圏の見直しについて
松浦議員 国の検討会は、2次医療圏設定の考え方について、人口22万人程度が目安と考えているが、広大な圏域を作ることは、必要な医療の提供が見かけ上完結するだけだ。見直しをどのように受け止めているのか。
高橋知事 2次医療圏を人口要件のみで見直すことは、地域によっては医療圏の拡大につながり、本道の実情にそぐわない。道としては、人口規模だけではなく、面積、受療動向、交通事情等の社会的条件も踏まえて、検討することが必要と認識している。適切な2次医療圏の設定を国に強く求める。

国の行動計画をどう受け止めるか

(15)農林漁業強化方針について
松浦議員 政府は先ごろ「我が国の食と農林漁業の再生のための基本方針・行動計画」を策定したが、どのように受け止めているのか。
高橋知事 基本的な考え方は、道の農業・林業・水産業それぞれの振興計画の方向と概ね一致しているが、内容については抽象的な部分や先送りされた課題も多い。TPP協定のいかんにかかわらず、本道農林漁業の競争力と体質の強化は待ったなしの課題だ。今後、国が具体化する事業や制度が、道のそれぞれの計画の推進に資するものとなるよう、積極的に提案・要望を行う。

同一海域で事例組み合わせが必要

(16)磯焼け対策について
松浦議員 産学官が一体となった磯焼け対策連絡会議で地域それぞれの取り組みが紹介されているが、事例を同一海域で組み合わせて実施する取り組みも必要ではないか。
高橋知事 各地で成果を挙げている「栄養塩の添加」や「ウニの密度管理」などを組み合わせた取り組みを促進するとともに、鉄鋼スラグによる藻場造成の効果調査、治山ダムの改良など森・川・海の環境保全対策の一体的な推進を図り、日本海のそれぞれの地域にあった磯焼け対策に積極的に取り組む。

条例の地域指定は考え方の整合を

(17)森林整備について
松浦議員 森林のゾーニングと水資源の保全に関する条例における地域指定は、考え方の整合を図った上で、しっかりと森林を維持・管理していくことが重要。道はどのような考え方を市町村に示そうとしているのか。
高橋知事 これまでの3区分を改め、「水源涵養」「山地災害防止林」など5区分とし、伐採や植林などの施業の基準を定めて市町村に示す。水資源条例との関連では、特に保全が必要な森林は、市町村が伐採面積の上限を独自に設定できる仕組みをとすることなどを検討している。来年4月の改正森林法の施行に向け、要請のあった168市町村の作業チームに道職員を参画させ、見直し作業を行っている。

過去の構想等をどう活かすのか

(18)北東アジア・ターミナル構想について
松浦議員 道は北東アジア・ターミナル構想の検討を始めたが、交通・物流ネットワークに関してはこれまでも道や国が調査・研究に取り組んでいる。こうした構想をどう受け止め、構想策定に取り組むのか。
高橋知事 これまでも国際直行船の試験運航の実証実験などの取り組みを進めてきた。これにより、経済交流の促進が図られ、課題についても明らかになった。構想策定にあたり、道が設置した検討懇談会の意見を聞くともに、本道の地理的優位性を十分に活かすなどの検討を行い、年度内に基本的な方向性をまとめ、来年度には構想を策定する。

維持管理予算をどう確保するか

(19)公共土木施設の維持管理について
松浦議員 公共土木の維持管理は、道民の安全安心な生活を支え、災害への備えや施設の長寿命化に対しても必要な施策だ。維持管理予算の確保に道取り組むのか。
高橋知事 高度成長期に整備された公共土木施設の劣化による維持管理経費や長寿命化に要する費用などの増加が懸念されるほか、東日本大震災を踏まえた施設の耐震化、異常降雨などに対応した維持管理の強化が求められている。地域の意見を聞きながら、毎年度、維持管理の実施計画を点検するなど、適切な維持管理に努める。

学テの結果公表の進め方は

3、教育問題について

(1)学力向上について
松浦議員 全国学力テストの結果について、教育長は第1回定例道議会で「市町村の取り組み状況や、その成果が詳細に分かる効果的な公表について検討を進め、9月ごろを目途に成案を得られるよう努める」と答弁している。検討の結果、どのような結論を得たのか。
高橋教育長 本年度の全国学力テストには、札幌市を除く178市町村が参加した。現在、採点・集計作業を行っており、来年1月には調査結果の分析をまとめられるように進めている。効果的な調査結果の公表となるよう、今後も市町村教育委と協議を進める。教育局管内別の状況については、学校・保護者・地域住民が管内の課題を把握できるように改善する。

授業や教科書は改善されたのか

(2)朝鮮高級学校について
松浦議員 道は文教委員会で「11月に授業内容や教科書の記述などについて確認したい」と答弁した。拉致問題や大韓航空機爆破事件について、事実と異なる記述などの改善は見られたのか。
高橋知事 今月、道職員が「現代朝鮮歴史」の教科書の内容や授業内容を確認した。大韓航空機爆破事件については問題のある記述が削除され、拉致問題は教科書に記述はなく、授業で事実関係や日本政府の見解を踏まえた指導を行っていることを確認した。こうしたことから、「教科書の改善に向けた取り組みを進める」「日本政府の見解などについても指導を行う」といった道の申し入れの趣旨を踏まえた、対応がされていると考えている。

検査院の検査結果は誠に遺憾

(3)会計監査院の検査結果について
松浦議員 会計検査院の検査の結果、本道の公立学校教員の不適切な勤務実態が明らかになり、義務教育費国庫負担金の返還を求められる事態に至ったことは誠に遺憾だ。この検査は、わが会派が道議会で再三にわたり北教組の組合活動の実態を取り上げ、国会でもわが党が問題点を指摘した結果だ。
 検査院は冬休み中の校外研修について、研修場所の約八割が自宅、研修内容が不明確なものが98.6%に上るなどと指摘している。北教組は大会議案書の是正勧告に何の対応もなく、こうした不誠実な対応と勤務実態をどう受け止めるのか。
高橋教育長 教職員の不適切な行為により、学校教育に対する道民の信頼を著しく損ねたと言わざるを得ず、大変重く受け止めている。他に同様の事態がないか全道調査に着手した。調査をしっかり行い、服務規律の一層の確保に努める。北教組の議案書については、現時点で北教組から何らの回答がないことは、甚だ遺憾だ。市町村委や学校に対し、交渉事項と管理運営事項の明確なしゅん別などを周知徹底するとともに、教育局に設置した学校運営サポートチームの支援などを通じて、学校運営に支障をきたすことのないようしっかり取り組む。

新本部長の取り組み方針は

4、公安問題について

(1)道民の安全・安心の確保について
松浦議員 道内の本年度の治安状況は、事件・事故ともに減少傾向にあるが、一部の犯罪は増加傾向にある。秋以降は、高齢者が当事者になる交通死亡事故が相次いだ。道民の安全安心の確保に向けて、先ごろ着任した道警本部長としてどう取り組んでいくのか。
園田道警本部長 犯罪抑止では、年末に向けて更なる抑止が必要な罪種や地域を選定して、被害実態に即した広報啓発、多発時間帯の警戒活動の強化など重点対策を強力に推進する。交通死亡事故抑止では、高齢者が多数集まる施設などで、民間の協力を得て「交通安全ひと声運動」の実施や、冬型事故防止のためのタイムリーな情報提供などを積極的に推進する。
 「犯罪や事故のない安心して暮らせる北海道の実現」を基本理念に掲げ、この実現を図るため活動指針と活動重点を設定しており、これらの取り組みに全力を尽くす。職員一丸となって厳正な規律の保持に努め、誇りと使命感に燃え、士気高く職務に邁進できる組織作りを積極的に進めたい。

■ 自民党・道民会議の一般質問項目 ■

□笠井龍司(釧路市)
一、野生鳥獣による農林業被害調査等の対応について
一、特定健康診査について
一、雇用対策について
一、エネルギー政策等について

□佐藤禎洋(小樽市)
一、高規格幹線道路網の整備促進について
一、物流施策について
一、新たな北海道病院改革プランの検討について
一、中小企業対策について
一、観光振興について

□野原 薫(北広島市)
一、大震災復興特区について
一、AEDの整備と講習の実態について
一、学校と地域との連携について
一、校務支援システムについて
一、いじめ問題について

□北原秀一郎(紋別市)
一、地域医療について
一、道産水産物の輸出振興について
一、航空路線の確保について

□田中芳憲(恵庭市)
一、ヒグマ対策について
一、BSE問題について
一、道営競馬について
一、若年性認知症対策について
一、新たな児童手当について

□小松 茂(釧路管内)
一、水産基本計画の見直しについて
一、アザラシ対策について
一、道内の地下資源について